第2回モラルサイエンス・コロキアムを開催
10月9日、令和元年度第2回モラルサイエンス・コロキアム(主催:道徳科学研究センター)を、麗澤大学において開催。29名が参集しました。
今回のテーマは、「『震災復興』とモラルサイエンス――尊厳ある復興に向けて――」。スピーカーに、内尾太一氏(麗澤大学助教/文化人類学)、花田太平氏(麗澤大学助教/英文学・政治思想)を招き、道徳科学研究センターからは竹中信介研究員(比較文明学・人間学)が登壇しました。また道徳科学研究センターの宮下和大・副センター長(麗澤大学准教授/中国哲学)がコーディネーターを務めしたた。
内尾氏は、「ポスト3.11における『人間の安全保障』アプローチの実践と検討」と題して、震災など「人間の安全保障」の現場における「生存・生活」と「尊厳」の葛藤の問題について論じました。また国民国家の枠組みを超えた災禍の共有の可能性について問題提起を行いました。
花田氏は、「長期震災復興論:時間、記憶、死者」と題して、「時間」「記憶」「死者」の概念を導入した「長期震災復興」のありようについて論じるとともに、「傷」の受容を可能にする社会のありようについても問題提起しました。
竹中氏は、「震災復興への複合的アプローチ――ポスト3.11の世界で何が起こり、何が求められているのか?」と題して、復興をめぐる問題状況を全般的に整理。過去・現在・未来をつなぐ「継世代倫理」の観点に立つ復興のあり方について論じました。
フロアには、麗澤大学の教員や学生も集まり、質疑応答では政策決定における人文知の役割と影響などについて展望する議論が活発に展開されました。
次回は、「「地方再生」とモラルサイエンス――個人・社会・国家をいかに守るか――」というテーマで、藤井聡氏(京都大学教授)、古川雄嗣氏(北海道教育大学准教授)をお招きし、冬月律・道徳科学研究センター主任研究員を交えて、2月12日(水)15:00~18:00に開催を予定しています。