道科研講演会を開催――伊東俊太郎顧問が講演
令和4年5月25日(水)、道徳科学研究所(道科研)は、伊東俊太郎モラロジー道徳教育財団顧問を迎え、講演会を開催しました。今回は、研修館での対面式と、録画のオンデマンド配信形式で行い、参加者は対面とオンデマンド配信希望を合わせると約80名となりました。
今回の講演テーマは、「「精神革命」と「科学革命」-宗教と科学の統合は可能か?-」でした。伊東先生は、まず「精神革命」と「科学革命」の概要をお話しになり、それぞれの人類史的な意義を確認されました。その上で、「倫理は教会に、真理は科学に」という「宗教と科学」を分離的にとらえる「二重真理説」の立場を乗り越えるべく、「ともいきの絆」としての「宇宙連関」の必要性を論じられました。
この宇宙連関を軸とした世界観のもとでは、「宗教と科学」は対立することなく共存し、ホリスティック(全体的、統合的)に世界を捉えることが可能になります。それにより、たとえば環境問題や核兵器などの人類的な課題から、人間関係やコミュニケーションなどの身近な問題に至るまで、現代的な諸問題を考えていくためのヒントを得ることが可能となります。
質疑応答では、AIとシンギュラリティ(技術的特異点)の問題や、宇宙連関において、「真・善・美」の「美」はどう位置づけられるのかという問いなど、活発な議論が繰り広げられ、会場が熱気に包まれたまま終了を迎えました。
(文責:研究会委員会 委員長 竹中 信介)