道徳教育とウェルビーイング

 令和6年5月22日に開催された道徳教育研究会で、当プロジェクトの木下城康が「道徳教育とウェルビーイング」について趣旨説明を行い、その後、石光俊明(麗澤大学事務局)と木下がそれぞれ「学生支援とウェルビーイング」、「働くひとのキャリア支援とウェルビーイング」をテーマに発表した。

 趣旨説明で木下は、ウェルビーイングの多面的な定義と研究動向について説明し、健康、社会的関係、経済的安定など多次元の要素を強調し、本報告でのウェルビーイングを「個人と社会のよい状態」とすることを提案した。 石光は麗澤大学の学生支援の取り組みを紹介し、健康、マネーリテラシー、コミュニケーション、ITリテラシーなどの支援を強調した。

 木下は働く人々のウェルビーイングを安定させるため、ブルスティン、リチャードソン、サビカスの理論を統合した新たな支援モデルを構築する視点を提案した。このモデルは動的ウェルビーイングを基盤とし、個人と社会環境の相互作用を重視するものである。

 質疑応答では、大学卒業後の継続的支援体制の構築に関する有益な議論が行われ、モラロジーに基づく独自の支援モデルの構築が今後の課題として挙げられた。本報告から、学生と働く人々のウェルビーイング支援の重要性が確認され、包括的なアプローチの必要性が示された。今後の支援体制の充実と発展が期待される。

<文責:道徳教育研究推進プロジェクト サブリーダー 木下城康>