「モラルサイエンス・コロキアム」を開催
平成30年12月12日(水)、「モラルサイエンス・コロキアム」をモラロジー研究所小ホールにおいて開催しました。
本企画で言う「モラルサイエンス」とは、「事実と価値を統合しながら、領域横断的に、現代の人間・社会・文明のより良きありようについて探究し、今後求められる道徳原理を構想するための学問領域」を意味します。このコロキアムでは、このような問題領域と接点を有する研究および言論活動を展開している識者をお招きし、道徳科学研究センターの研究員とともに議論していただき、「モラルサイエンス」研究の最前線を開拓してまいりたいと考えております。
さて、本企画は、来年度から本格的にスタートする予定ですが、今回は、そのプレ第1回として、「道徳と人権」というテーマ設定で、法政大学の金子匡良教授と当センターの梅田徹教授からスピーチを頂戴し、シンポジウムを行いました。
なおコーディネーター・コメンテーターは、本センターの横田理宇研究員が務めました。
「人権」概念は、18世紀以降、最も多く議論されてきた概念ではないでしょうか。そして、それとは反対に、もっとも議論されてこなかったのが「道徳」という概念ではないでしょうか。
今回は、この非対称性を崩し、「人権」と「道徳」をいかに統合するかという問題意識にそって、議論が行われました。
金子先生からは、「自律的個人」を媒介に「人権」と「道徳」が統合される理路についてご教示いただいたいと捉えています。また梅田先生からは、「人権感受性」という新概念によって「人権」と「道徳」の接合を図る道を示唆していただいたと受け止めています。フロアからも沢山の質問や意見が出され、充実したコロキアムとなりました。
次回は、3月13日(水)午後に、「道徳と教育」をテーマに開催する予定です。ご関心のある方は、ぜひご参加下さい。事前に研究センター事務室にお申し込みいただければ幸いです(※参加無料)。
★お問い合わせ・参加のお申し込み
道徳科学研究センター(道科研)事務室
お電話:04-7173-3252
E-mail:rc@moralogy.jp
次回も、道徳の位置づけを中心に人間・社会・文明のありようを探究する「モラルサイエンス」の可能性を追究して参りたいと思います。ぜひご協力とご支援、そしてご参加をお願い致します。
モラルサイエンスコロキアム企画担当者:川久保 剛(道徳科学研究センター主任研究員)