道科研所長挨拶 Greetings from the director

 道徳科学研究所(略称:道科研)は、公益財団法人モラロジー道徳教育財団の研究部門です。3つの研究推進プロジェクト(モラルサイエンス研究推進プロジェクト・道徳教育研究推進プロジェクト・モラロジー研究推進プロジェクト)と2つの研究プロジェクト(伝統文化研究プロジェクト・歴史研究プロジェクト)から成り、倫理道徳の総合的・学際的な研究を行っています。

 道科研では、当財団の創立者・廣池千九郎が創始したモラロジーを「モラルサイエンス」(人間の精神原理および社会構成の原理を総合的立場から捉え、そこから人間および社会、国家のあるべき価値を探求する学問)の重要な学問的モデルとして位置づけ、現代の最先端の学術研究の成果との対話と協働を通じて、そのさらなる発展を目指しています。具体的には、(1)新たな時代の倫理道徳のあり方を探究し、人類社会における諸課題の道徳的解決に資する研究、(2)家庭・学校・社会における道徳の教育・学習・実践の充実に資する研究、(3)廣池千九郎の事跡と思想の研究、および最高道徳論とその教育の深化・発展に資する研究を、道科研における研究活動の重点三分野とし、理論と実践、倫理道徳とモラロジーの往還関係を意識しながら研究を進めています。

 道科研は、倫理道徳に関する専門的な学術研究を通じてグローバルな研究ネットワークを構築して人類が直面する諸問題の解決を目指すと同時に、財団の生涯学習部門と連携し、倫理道徳に関する教育活動の充実・発展に努めてまいります。

 道科研は、急速に変容しつつある時代状況を見極めながら、人間・社会・文明のより良き在り方を領域横断的に探求し、新たな時代の倫理道徳を皆さまと共に創り出していきたいと考えています。研究活動の成果は学術誌『モラロジー研究』、各種の学術書や学術雑誌、毎年開催する道徳科学研究フォーラムやコロキアム、当財団のホームページ等を通じて発信してまいります。

 今後とも宜しくご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

令和6年4月吉日

公益財団法人モラロジー道徳教育財団
道徳科学研究所 所長 犬飼 孝夫