モラルサイエンス研究会①

「技術革命と人間性の変容:AIと人間の関わりについて」

 令和7年6月11日(水)、モラルサイエンス研究推進プロジェクトによるモラルサイエンス研究会が開催されました。

 報告者である木村武史先生(筑波大学人文社会系教授)より、「技術改革と人間性の変容-AIと人間の関わりについて」をテーマとするご報告がありました。AI(人工知能)の急速な進展にともない、人間(性)がどのように変化しうるのかという問いについて、広範な視点から考察がなされました。教育、セクシュアリティ、スピリチュアル・ケア、宗教といった多様な領域を取り上げながら、国内外の先行研究にも触れつつ、人文社会系の立場から今後どのような問いを立てていくべきかが示されました。とくに、AIの高度化により、従来は人間固有と考えられてきた領域がAIにも担われていく可能性についての問題提起は、人文学の役割を改めて考える契機となりました。報告後には、参加者との活発な質疑応答も行われ、学際的な視野を広げる貴重な機会となりました。

(文責:モラルサイエンス研究推進プロジェクト・リーダー 冬月 律)