モラルサイエンス研究会を開催――伊東俊太郎顧問が講演

録画配信を併用し、開催

 

 令和2年10月7日、道徳科学研究センター(道科研)は、伊東俊太郎モラロジー研究所顧問による講演会を開催。今回は対面とライブ・録画配信のハイブリット形式で行い、参加者は合計38名でした。

 講演テーマは「『コーロロジー(場所論)』再考」。コーロロジー(場所論)とは、古代から中世にかけての「存在論」、近代以後の「認識論」の哲学の延長線上に、伊東顧問が「21世紀の哲学的基盤」として提唱した概念です。対話や社会とのつながりが強調される時代にあって、多くの研究者に影響を与えています。

 たとえば、砂漠で落日を見るとき、私たちが「美しい」と感じるのはその時その場での私と太陽との関係で規定されます。太陽はいつでもどこでも、だれが見ても美しいものではなく、その時の私との関係によってそう感じられるのです。コーロロジー(場所論)は、それが起こる場所を規定する理論です。

 静的で絶対的な存在を想定しないで、進化し生成発展する動的な知と倫理のあり方を探求することこそが、これからの時代の哲学的基盤となるという主張によって、「新たな時代の道徳を共に創る」をテーマに掲げる道科研は、今後の研究の方向性を再認識することとなりました。

(文責:ゼミ・研究会委員長 木下 城康)

 

伊東俊太郎顧問

 

コーコロジー(場所論)について熱の入った講演