所功教授講演会「『令和』大礼の成果と課題」
12月4日、モラロジー研究所小ホールにおいて、所功教授による「モラルサイエンス研究会・講演会」を開催。「『令和』大礼の成果と課題」をテーマに、研究者を中心とした30名が参加しました。
所教授は平成大礼の際も、学界はもちろんメディアの解説などで深く関り、今回も多くの出演機会があったことは周知のとおりです。この度の講演は、こうした経験や長年の研究成果に加えて、関係者との交流によって得た知見などから、さらに実情に迫った内容となりました。
まず、譲位(退位)に伴い行われた改元と「剣璽等承継の儀」については、明治に定められた「登極令」に基づきつつ、明るい雰囲気の中であったことを顕彰する一方で、新天皇による署名の必要や将来に備えた儀式のあり方について問題提起しました。新元号「令和」に込められた麗しい和の精神が、日本国中に行き渡るような時代を作り上げるために、我々自身が家庭・地域・職場など、身近なところから実現することが重要と指摘。そして「即位後朝見の儀」における御言葉を拝することによって、象徴天皇の在り方と、「歴代天皇のなさりよう」に学ばれる陛下のお姿に注目し、安定的な皇位継承の実現に向けて意識を高めることを提言しました。
また大嘗祭については、学問的な言説を見直し、この祭儀が単なる新嘗祭の拡大版ではなく、庭積机代物を例として、広く国民の協賛から成り立っているということを意義づけました。
質疑応答では、最初に陛下の国際会議における講演映像を視聴し、水問題に関する高い識見を共有した後、盛んに意見交換が行われました。