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 平成27年度 「モラロジー研究発表会」(柏会場)を開催

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2016年1月24日 Category : NEWS  モラロジー研究発表会


1月23、24日の両日、廣池千九郎記念講堂(千葉県柏市)において第43回モラロジー研究発表会を開催。全国から117名が参加しました。

開会にあたって、廣池幹堂・モラロジー研究所理事長と大野正英・道徳科学研究センター長が挨拶を行いました。廣池理事長は、三年間に亘ったテーマである「利他性」とは程遠い現状にある内外の様々な問題に確実に対処するためにも、総合的人間学としてのモラロジーを学問として発展させていかなければならない。その根幹となる研究活動は極めて重要である。国際社会において徐々にモラロジーが学として認められてきており、また今回、若手の発表者が増えてきていることは心強い。確実に次の世代が育ち、研究を発展させるとともに、研究成果が実際の教育活動に確実に生かされるよう、しっかりと取り組んでいきたいと述べました。

大野センター長は、様々な研究領域で利他性の問題が共通の課題になっているが、その理由は、社会において、自己中心、自企業中心、自国中心の考え方が行き過ぎていることへの反省の表れである。廣池千九郎が目指した利他の目指すところは、モラロジーの理論体系において、慈悲、あるいは人心救済として明確に示されている。各研究員がそれぞれの専門の立場から、この目指すところをしっかりと見据えて取り組んでいきたい、と述べました。

その後、統一テーマを中心に、モラロジー専攻塾の塾生一名と研究センターの教授・研究員・研究助手が発表を行いました。

翌24日には、これらの発表に続いて「戦後の民法と家族的な共助社会―牧野英一博士の法思想を見直す」と題して所功研究主幹による講演を行いました。

所講師は、東大名誉教授の牧野英一法学博士が、戦後の憲法と民法の審議に、貴族院議員として加わり、わが国で大切にされてきた「家族的な共助社会」を守るために果たした役割について、具体的な事例を挙げて述べました。所講師は、牧野博士が審議中の憲法草案に対して修正案を提出し、それが不調に終わると更に昭和22年の民法改正審議において具体的提案を行い、その結果、個人中心の民法原案に、家族生活の尊重、家族の相互扶助、祖先祭祀の継承などの規定が盛り込まれるに至ったこと、さらに牧野博士の著書が、昨年12月の最高裁判所による民法の家族同一氏(姓)規定を合憲と判断する基礎資料ともなっていると述べ、日本古来の家族のあり方をもう一度見直すことによって、家族を中心とした共助社会再建の道が開けるのではないか、と結びました。

その後に行われた全体討論では、まず大野センター長が、3年間に行われた発表について、「利他性や共感が生まれるメカニズム」、「利他性に関する理論的研究」「社会に見られる利他的実践の分析」「利とは何か、他とは何か」「利他の対象の範囲」「利他性のもつ負の側面」などの視点から総括した後、質疑と討論を行いました。

閉会の挨拶では、大野センター長が、利他性には多様な側面があるが、今の社会においてきわめて重要であり、一人ひとりの利他の実践によって社会が大きく変わる可能性がある。そのことを研究センターからのメッセージとして発信していきたい、と述べました。

※役職は平成27年度のもの




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